中洲でボーイをやってた話。

♯ドンペリとの出会い

僕は大学生の頃、
卒業するまでの最後の半年間だけ、
中洲の高級クラブでボーイとして働きました。

お店には
着物を着たママがいて、
アルバイトの女の子が何人かいて、
シフトを組み働いています。

ボーイの仕事は
裏方でグラスを洗ったり、お酒を運んだりするだけと聞いていました。

可愛い女の子とも会えるし
時給も良かったので
知り合いの紹介で働くことになりました。

バイト初日のことです。

常連さんっぽいおじさん

ママ、ボーイ入ったんだね。
ちょっと飲ませても良い?

もちろんです。ありがとうございます。

ん?
仕事中ですよ。僕ボーイですよ。

そんなことは言えずに、
カウンター越しにビールをいただきます。

初日はビール2,3杯をお客さんにご馳走いただきました。

そこまでお酒の強くない僕は、
これでも結構しんどいです。

顔は真っ赤です。

飲むだけならいいのですが
当然、ボーイなので常に周りに気を配っていないといけません。
チャーム(お菓子の盛り合わせ)はなくなっていないか。
テーブルの氷はなくなっていないか
女の子がお酒をたくさん飲んで、辛そうな時はこっそりノンアルビールにしたり
まだ慣れない新人の子が入っているときは、お客さんとの会話に入ってあげたり。

アルコールを入れた状態で、
これらのことをこなすのは、
器用ではない僕にとって
なかなか難しいことです。

カラオケも歌わせていただきます。
ちなみに僕のおはこはWe are the worldです。

お客さんの誕生日や女の子の誕生日にはにシャンパンやワインを入れていただくこともあります。

お客さんから注文が入ると、まず僕はボトルと
お客さん、ママ、女の子のグラスを持っていきます。

トヨも飲んでいいよ。

そう言われて初めて自分のグラスも用意します。

お酒の強い女の子が
シフトにいない時は大変です。

ボックス席に座って
いただいたワインを全部飲み、
仕事に戻ろうと、カウンターの方に体を向けます。

トヨさん

女の子に呼ばれ、振り向くと

さっき空だったはずの僕のグラスに並々のワインが注がれています。
隣の女の子のグラスは気がつくと空でした。

中洲マジックです。

多い日は一人でボトルのワインを3本分近く飲んだこともあります。

お酒の強くない、僕はもうフラフラです。

だけど、僕はお店の売り上げのために頑張りました。

好き嫌いは言ってられません。
正直好きではない、マッコリも日本酒もお客さんからお酒を頂けたら、
美味しく飲ませてもらいます。

そしてリクエストが入れば全力でカラオケを歌い、踊ります。

華やかに見える世界の裏側は


”楽しい”だけではありませんでした。 

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