僕が、福岡で1年間通っていた中学校には、
元気な生徒がたくさんいました。
先生も元気のいい人がたくさんいました。
僕の仲良かった友達は、
休み時間先生に職員室に呼ばれ、帰ってくると
シャツのボタンがありませんでした。
そんな賑やかな中学校の近くには
団地がありました。団地は通学路ではなかったのですが、
そこを通ると早く学校に着くこともあり、
僕は遅刻しそうな時、仕方なく団地の中を通っていました。
団地の公園には、毎朝必ず3年生の
元気な先輩が何人かいます。
ダボダボの制服に、
脱げてしまいそうなほど下がったズボン。
学ランの下にはお洒落な赤や、青のパーカー。
トサカやくりんりくりんのカラフルな頭。
そんな先輩がいる公園の横をまっすぐ前だけ見ながら、小走りです。
そしてなんとか校門へ。
走れえぇーーー
竹刀を持った先生。
ギリギリ間に合います。
汗だくで、そのまま教室へ。
朝の会が終わりすぐ、
授業が始まります。
ブーーーンブンブンブーーーン
今日もうるさか。
先生が窓を閉めます。
あ、お兄ちゃんだ。
後ろの席の佐藤くんがぼそっと言います。
休み時間、佐藤くんに聞くと
団地の公園に毎朝いるパンチパーマの3年生が佐藤くんのお兄ちゃんでした。
そして毎日、学校の周りをバイクで走っているそうです。
僕は1年間で、十分すぎるほどの刺激をもらいました。
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